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(投稿者:ししゃも) 「アドルフ・ガブリエーレ」 パニッシャーは眼前に立つ長身の女性の名を呟く。しかし銃口を下げず、ガブリエーレの後ろでせせら笑うスカベンジャーを狙っていた。だがそれを制止するようにヴィレッタの視線を感じる。 「その物騒なものを仕舞え。話はそれからだ」 ガブリエーレは無表情だったが、威圧感のある口調でパニッシャーに銃口を下げることを命令した。腑に落ちない、パニッシャーは内心そう思いながら、重々しくMP40を下げた。その様子を見てヴィレッタは安堵する。しかし、一触即発の雰囲気を穏便に済ませたパニッシャーを煽るかのようにスカベンジャーは笑っていた。しゃがれた声が室内に響き、不穏な空気が流れる。 「スカベンジャー、遊びが過ぎるぞ」 後ろで笑っているスカベンジャーをガブリエーレは睨み付ける。口調こそ淡々としたものだったがその眼光は鋭く、スカベンジャーを一瞬で黙らせた。 「隊長、こりゃいったいどういうことですか」 ズィーの声が聞こえ、パニッシャーとヴィレッタは振り返る。ズィーはその巨体に似合わない、唖然とした表情をしていた。 「ギニーピッグ、か。なかなか面白い人材が揃っているじゃないか」 ガブリエーレは誰にも聞こえないようにひっそりとした独り言をつぶやいた。 第二話「鬼才と呼ばれた女性」 「アドルフ博士が来ているなんて知らなかったですよ。ちゃんとEARTHの方々に許可をもらったのですか」 メレンスは三つ編みの髪を揺らしながら、アドルフ・ガブリエーレの手前に駆け寄った。ガブリエーレは無表情のまま、自分より身長が低いメレンスの見下ろし、ため息をつく。職員たちが避難しているホールにガブリエーレを案内したパニッシャーはその光景を遠目で見ていた。 エリルスの遺体を回収しようとしたパニッシャーたちの前に突如現れたMAID、スカベンジャー。そして、アドルフ・ガブリエーレ。状況は二転三転としているが、少なくともガブリエーレは敵ではないとパニッシャーは思っている。 「隊長、やっぱあのスカベンジャーが気に食わないんですか」 考えに耽るパニッシャーの隣で、ズィーは腕組みをしながらあるMAIDに視線を向けた。部屋の隅で胡坐を掻き、包帯に巻かれた腕や顔が時折見える不気味なMAID――スカベンジャー。こちらの視線に気づいたのか、スカベンジャーは両目を大きく広げると見返した。ズィーは思わず視線を逸らし、息を吐く。 「奴の能力は『コア抽出』。味方といえどあまり近づきたくない。それより不気味なのが」 パニッシャーはちらりとガブリエーレを見た。虚ろな横顔。それとは対照的にメレンスはにこやかな笑顔でガブリエーレと話す。時折、無表情なガブリエーレの口元が微かに歪んだ。 出会った当初は人間らしさを感じない彼女に疑念を抱いたが、そうでもないらしい。 「いや、気のせいか」 ただの杞憂。そう思っているパニッシャーの心境は知らず、ガブリエーレはメレンスを連れてこちらに向かってきた。パニッシャーは微動だにせず、彼女が来るのを待っていた。 「メレンスから話は聞いた。私の部下を助けてくれたと」 「礼はエリルスに。私たちは当然のことをしたまでです。それで、ご用件は」 パニッシャーの返事に「前口上は要らなかったようだな」と言わんばかりにガブリエーレは目を細めた。 「プロトファスマに出会ったようだな。それもかなり特殊、極めて異例な」 ガブリエーレの視線が、パニッシャーからズィーとヴィレッタに移った。彼女の瞳は研究者特有の興味と興奮に満ちており、不気味だった。少なくともヴィレッタはそう感じており、ガブリエーレと目を合わすのを極力避けようとする。 「あの瘴気を発生しないプロトファスマ――私は『ミュータント』と呼んでいる。」 彼女は軽く咳払いをすると、あのプロトファスマについて話をし出した。ヴィレッタ含めギニーピッグの面々は、当事者ではないガブリエーレがあのプロトファスマについて知っていることに驚く。 「私が奴を発見したのは、バストン大陸での調査中のことだ。君たちも知っているだろう、バストン固有種を。断定は出来ないが、奴はその一種」 マイスターシャーレで学んだ教養の中で、バストン大陸周辺のことをヴィレッタは思い出す。 アルトメリア南部。同半島を越えた先に位置するバストン大陸。Gに占拠された領土の中で、もっと広大かつ手も足も出ないほどに大規模なGが生息しているといわれている「魔の大陸」。バストン固有種とは、その大陸特有の能力を持ち、G内での食物連鎖において頂点に立つ極めて凶暴なGを指していた。 「もしミュータントが海を渡ってここを襲撃したとすれば、メレンスの様子を見ようと出向いた私を含め、奴と遭遇した君たちは運が良い」 冗談じゃない、といった表情のヴィレッタやズィー、ストレイトと裏腹にパニッシャーだけは違った。ガブリエーレに何か裏があると察しているような表情で彼女を見つめる。 「あのミュータントには裏がある。私はそれを調べたくてね。ちょうど腕っ節が強い者たちを探していたところだ」 腕っ節が強い者――ガブリエーレの視線は明らかにギニーピッグへ向けられていた。 「博士、お言葉ですが」 パニッシャーは先手を打った。ガブリエーレに裏があるとすれば、念のために釘を刺しておかなければならない。 「私たちは非公式の部隊であり、作戦本部からの命令を待機している状態です。例えEARTH直属のMAID技師いえども、私たちに関わることは避けていただきたい」 パニッシャーは強い口調でガブリエーレの頼みを断る。しかし、断れた本人は違った。目を伏せ、鼻で笑う。彼女のその態度に誰もが疑問、あるいは何を考えているのか検討がつかなかった。 呆気に取られるギニーピッグ一同に対して、不気味な笑い声が聞こえてきた。 「いやいや、ガブリエーレ様もご冗談が過ぎること」 顔が包帯で覆われたスカベンジャーは笑いながらガブリエーレの傍まで歩いてきた。その異質な風貌に慣れないのか、メレンスは一歩二歩と後ずさりをしてしまう。 「どういうことだ、スカベンジャー」 「パニッシャーさんや。あんたの部隊、ギニーピッグを含めて、簡単な話ですぞ」 ギニーピッグ。誰にも知られていないはずの部隊名を、スカベンジャーは知っていた。パニッシャー以外の隊員たちに電撃が走り、スカベンジャーに視線を浴びせる。 焦っている。臆している。なぜ知っているのか。スカベンジャーは視線を浴びせるズィーやヴィレッタたちの心境が容易く読みきっており、その驚きに満ちた表情を見るのが愉快だった。しかし、パニッシャーだけは別格だった。彼女はそのような心境をおくびにも出さず、ただ冷ややかな目でスカベンジャーとガブリエーレを交互に見ている。 面白くない。スカベンジャーはそう思った。 「私が命令したからだ。君たちがギニーピッグという部隊に編成され、召集したのも。その様子だと、責任者である私の名前は知らなかったようだな」 いや一人だけ違うか。ガブリエーレはそんな視線と表情をパニッシャーに向けた。後ろでざわめくギニーピッグとは対照的にパニッシャーは冷静で、一言も声を発しなかった。 「隊長、こりゃどういうことですかい」 ズィーは藁にも縋りたい表情でパニッシャーに詰め寄った。 「どうもこうもない。しかしガブリエーレ博士がギニーピッグの権限を握っている確証は取れない。だがアドネイターを使えば、半日で分かることだ」 パニッシャーは詰め寄ったズィーの肩に手を置き、彼女を落ち着かせる。 「ガブリエーレ博士、我々は先に帰還します。後の連絡はアドネイターを経由させてもらいますが、よろしいでしょうか」 「構わん」 返事を聞いたパニッシャーは足早に出入り口のドアへ向かう。その後ろを慌ててズィー、ストレイト、ヴィレッタが追いかけた。 ヴィレッタは、白衣のポケットに手を突っ込み、立ち尽くしているガブリエーレとすれ違った。数十センチも身長が離れている長身のガブリエーレがこちらを見下ろす形で見ている。ヴィレッタは不意に彼女と視線が合ってしまった。 笑っていた。それはとてつもなく歪んだ笑みだった。 夜になり、静まり返ったノイマール野営陣地の一角。仮説宿舎のロビーでギニーピッグの面々は打ち合わせをしていた。お互いに服装は普段着ている軍事用のメード服とは別の、就寝用の軽装だった。 「どうやら本当だったよ。ガブリエーレはギニーピッグの責任者だ」 待合用の椅子に座ったパニッシャーは肩を竦めながら、アドネイター経由で確認した情報を報告した。円形状のテーブルを囲むように椅子へ座っているズィー、ストレイト、ヴィレッタは何ともいえない表情で頷く。 「アドルフ・ガブリエーレ。EARTH直属のMAID技師で、エターナルコアに関する分野で有名。コアを媒体とするプロトファスマの研究については第一線で研究している、と。研究者たちに『鬼才』と呼ばれているらしいです」 ストレイトは事前に調べていたと思われる、ガブリエーレについての情報を言った。しかし知っていることはそれだけだったのか、肩をすくめる。無理もない、MAIDといえども兵士は兵士。EARTH、それも内部で働く人間のことを知りたくもその機会はない。むしろそこまでの情報を引き出したストレイトに賞賛するべきだったが、恐らく仲が良いアドネイターに仕入れたものだろうとパニッシャーは推測した。 「それじゃ私たちはミュータントを追跡する任務をやれと」 ズィーは露骨に嫌な表情を作る。 「本人もそのことを望んでいたが、状況が変わった」 パニッシャーはそう言うと、手前に置かれたマグカップに手を伸ばした。湯気が立ったそれには、ストレイトが入れてくれたココアが上品な甘味を醸し出している。 「正式な発表は明朝に発表されるが、ノイマール野営陣地よりも最前線に位置するヴァーケン地上基地がGの侵攻を受け、陥落。連中は基地そのものを巣に作り変えたらしい」 その場合、Gは此処を真っ先に強襲するだろう。だとすれば、ひとたまりもない。パニッシャーは冷静に「後の事態」を口にする。 「『嵐の前の静けさ』ってことではなさそうですね。何か算段でも」 「一連の情報を仕入れたのは陸軍所属の医療MAID小隊『エンジェルソング』。彼女らは極めて迅速にGの巣窟と化したヴァーケン地上基地に爆薬を仕掛けた。連中の数はぐっと減るほどの量らしい。そしてエントリヒ陸軍本部は進軍するGの軍団を迎え撃ち、そのまま戦線の押し上げを行うつもりだ」 ヴィレッタの問いにパニッシャーはそう答えた。 最前線の押し上げ。つまり、グレートウォール戦線のパワーバランスがひっくり返る。それがエントリヒなのか、あるいはGなのかは分からない。 「それじゃ我々も作戦に参加すると」 ズィーは武者震いをしながら、鼻を鳴らす。 「もちろんだ。我々はシューベル大佐が率いる装甲化機動大隊と合流し、一番槍を務める」 一番槍。つまり、Gと正面から戦うことが半ば決定しているようなものだった。初めて交戦したGはプロトファスマで、その次はGの軍団と正面衝突を行う一番槍への編入。どう考えても貧乏くじを引きまくるヴィレッタにパニッシャーは同情の目を向けるが、すぐにその態度を改めた。 ヴィレッタはげんなりしているどころか、軍人としての心意気を身体全体から出していた。武者震いをするズィーとは対照的に、感情をおくびにも出さず、まるで自制するかのように感情をコントロールしていた。 なるほど。ここに飛ばされるだけはある、とパニッシャーはヴィレッタのことを見直した。 「作戦決行までに武器のメンテナンスや体調管理をしっかりしてほしい。私からは以上だ」 パニッシャーはそこまで言うと、一息つくためにコップへ手を伸ばした。それに口をつけ、温かいココアを口へ運ぶ。こうして上質なココアを飲むことができるのも、補給が滞りなく行き交っている証拠だった。補給が出来ていない基地や独立部隊のように各地を転々としている兵士たち――Gが占拠した基地に爆薬を仕掛けたという「エンジェルソング」がそうだった。 作戦本部からの報告を聞くより先に、彼女たちの武勲はパニッシャーの耳に届いていた。グレートウォール戦線で活動しているMAID小隊の中で、飛びっきりの肝が据わった連中が勢ぞろいした精鋭部隊だと。なんでも、あのアサガワ・シュトロハイヒ教官に気に入られたMAIDが隊長を務めているらしい。その話が本当であれば、Gが跋扈する基地に爆薬を仕掛ける荒業ができるものか。 (ゆっくりと話をしてみたいものだ) そのときは、ストレイトが淹れたココアでゆっくりと語り合いながら。夢見がちな空想を抱きながら、パニシャーはココアを飲んだ。 NEXT SCENARIO→「最前線」 SCENARIO LIST
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247 名前:ヴィレッジ[sage] 投稿日:04/09/05(日) 09 52 村人の自作自演 【ネタバレ】名作を要約するスレ【上等】
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貧乏クジの行方 ◆PfOe5YLrtI 黒き獣が地を走りながら、背負う砲門からビームの光を撃ち放つ。 赤き巨人へと向けられたその光は、しかし巨人の屈強な腕に阻まれ、本体への直撃を許さない。 「邪魔しないでよっ!!」 「って、あれに乗ってんのは子供かよ!?」 獣の中から聞こえるプルの声に、タスクが思い出すのはスクールの少年少女達の話。 あの少女もまた、彼らと同様の訓練や強化・調整を施されているというのだろうか。 操縦は荒ったい、しかし確かにあの獣のような機体を使いこなしている。 少なくとも、年端も行かない普通の女の子に一朝一夕でできる芸当ではない。 「しかもラトゥーニ達よりさらに年下っぽいし……たまったもんじゃねぇな、ったく!」 獣は巨人の周囲をすばしっこく跳び回りながら、ビームを乱射する。 その全てを受けきり、逸らし、やり過ごし……確実に防ぐ巨人。 それは、犬と飼い主のじゃれ合いのようなやり取りに見えなくもなかった。 タスクは特別優秀なパイロットというわけではない。 運動神経は鈍いし、一度はパイロット適正審査の段階で落とされたこともある。 だがそれでも、勘と悪運とそして根性を武器に、DC戦争に始まる幾多の大戦を潜り抜けてきた。 単純に実戦経験に関しては、ここにいるプルよりもタスクのほうが場数を踏んできている。 加えて重装甲の機体の扱いにかけては、ジガンスクードに乗り慣れたタスクに一日の長があった。 武装や格闘性能など、総合的に見ればビッグデュオはむしろジガンより遥かに使い勝手がいいといえよう。 獣――ガイアガンダムの火力は読めた。これなら、隙さえ突かれなければ防ぎきれる。 条件は全てにおいてタスク優位だ。これでヘマをやらかした日には、立場がないというものである。 「もう!ずるいよ、私のガイアにはそんな腕付いてないのに!」 イライラを募らせたプルが、痺れを切らし叫び声をあげた。 ビッグデュオの喉元を噛み千切らんばかりの勢いで飛び掛る。 「うおっと!?」 その際、背面ウイングにビームの光が収縮し、刃を形成しているのをタスクは見逃さない。 飛び込んでくるガイアにタイミングを合わせて……両の手で翼ごと挟みこむ! 「捕まった――!?」 「白羽取りっ!どうよっ!」 白羽取りにしてはスマートさに欠けるが、半ば力任せに機体ごと引っ掴む。斬られ役に甘んじてやる気はない。 ひとまずの動きを封じたことで、タスクは眼下を見回す。 (さっきのあいつは……上手く逃げ切れたみたいだな!) カズマの姿が完全に見えないことを確認し、タスクは行動に出ることにする。 この取り留めのないじゃれ合いもここまでだ。 「よーし!もういいだろお嬢ちゃん、おイタはそこまでだぜ」 元々シャドウミラーの意のままに殺し合いに乗ってやる意思など、タスクには存在しない。 ましてや相手が幼子となってはなおさらだ。 「よくないよ!早く死んでくれなきゃ、ジュドーのところに帰れないんだから!」 「物騒だなぁオイ……ん?」 プルの口から出た言葉がひっかかった。 名簿だ。参加者一覧の中に、ジュドーという表記があったことを思い出す。 「おい、ちょっと待てって!お前、そのジュドーって奴まで殺しちまうつもりかよ!」 「何わかんないこと言ってんのさ!」 「わかんないってお前、ジュドーって名前が名簿に……」 「あたしはジュドーの所に帰るんだ!邪魔すると許さないから!」 言っていることがメチャクチャだ。まるで、自分達と敵対していた頃のゼオラを思い出させる。 あの頃の彼女やオウカ・ナギサ同様、施された洗脳や強化が、思考をも破綻させているのか―― シャドウミラーのやりそうなことだと、タスクは舌を打った。 ……『前例』の存在が、タスクの目を曇らせていた。 本当はそこまで難しく考えるまでもなく、ただ単に名簿を見ていないだけの話だが。 「沈めぇーっ!!」 砲門にビームが収縮するのを確認し、反射的にビッグデュオはガイアを掴んでいた手を離す。 放たれたビームが空を切る。同時に、空へと跳ぶガイア。 その獣の姿が、別の形――人型へと変わりつつあるのが見えた。 (変形するか!そうはいきますかって!) 元整備兵だったタスクの眼力は伊達ではない。 目の前の機体が何らかの変形機構を秘めていたことは先刻お見通しだ。 接近戦を行いやすい人型となって、体勢を立て直すか。 それを阻止すべく、牽制として巨人の豪腕を大きく振り回した。 その瞬間、ガイアの全ての動きが停止した。 「え……!?」 「なっ……!?」 完全に無防備となったガイアに、ビッグデュオの豪腕が炸裂する。 それが決まり手となって、戦いはあっさりと終わりを告げた。 ガイアは、まるで壊れた人形のように地面に叩きつけられ、そのまま動かなくなる。 「や、やべぇ!まともに入っちまった!!おい、大丈夫か!?」 元々殺す気などなかったこともあり、タスクは慌てて声をかける。 ガイアは変形途中の不恰好な形態のまま、微動だにしない。 (なんてこった……コックピットを潰しちまったのか……!?) しかし、タスクの心配は杞憂に終わる。 「う、うぅ……いたたた……」 「あ、よかった。生きてたか~」 ガイアの外部スピーカーから少女の声が聞こえ、タスクは胸を撫で下ろす。 声の調子から察するに、大した怪我はないようだ。 やがて、動かなくなったガイアがガチャガチャと動き始める。 「う、うそ!?なんで、どうして動かないの!?」 獣から人へ変わる途中段階の状態のまま、もがくように タスクは相手の機体の不備を察した。 (もしかして……) 変形機構に異常個所があり、まともに作動しなかったのだろう。 考えられるのは、最初に放った巨大ドッスン落としだ。 相手の行動を封じるつもりで放った一撃だが、なにせこの重量だ。 その際のショックで変形機構がいかれてしまった、と考えるべきか。 そんな状態で無理に変形を試みたがために、動作不能に陥ったと思われる。 機体の動きを止められたという意味では結果オーライ……だろうか。 動作不能で済んだだけマシだ。ビルトラプターのような爆発事故を起こすよりは。 だが、このまま放置しておくわけにもいかない。 少女はこの状態のままでも、無理に機体を動かそうとしている。 下手に動かされて武器を暴発でもされたら、そこから機体の爆発を引き起こしてしまうかもしれない。 「よし、待ってろお嬢ちゃん。すぐそっちに行くからな」 「やだ、近寄らないでよ!!」 歩み寄ろうとするビッグデュオに、プルは怯えを含んだ声を上げ始める。 やはり、まだ年相応の女の子か。 今しがた自分を殴った怖い巨人が迫ってくるのだ、無防備な状態のまま待つのは辛かろう。 「来ないで!ジュドー!!助けて、ジュドー!!」 外部スピーカーを全開にしているせいか、プルの悲鳴が大音量で周囲まで響き渡った。 耳を劈くような甲高い悲鳴に、思わず耳をふさぎたくなる。 「あー、もう!これじゃこっちが悪者みたいじゃねぇかよ!」 そう……確かにその通りだった。 この一場面だけを切り取れば、助けを求める少女を襲っているように見えなくもない。 そして。 何と間の悪いことであろうか。 ものの見事に、これを勘違いした輩がやってきてしまった。 「待て待て待てぇぇぇい!!その悪逆非道、許さぁぁぁぁぁん!!!」 閃光、爆音。燃える森。 他の参加者が、殺し合いを始めてしまった合図だ。 それを見つけながら、黙って立ち去るダイゴウジ・ガイではない。すぐさま現場へ急行する。 そして現場にたどり着いてみれば、響き渡るは助けを求める少女の悲鳴。 少女が乗るのは、傷つき倒れた獣のような小さな機体。 そんな無力な少女に今にも襲い掛からんとする、赤く禍々しい巨人。 一目瞭然。正義と悪との識別完了。 「悪党め!!このダイゴウジ・ガイが相手になってやるぜ!!!」 ガイは少女を救うために、巨人に戦いを挑む。立ち上がれ、ゲキ・ガンガー3! 先手必勝、赤い巨人に攻撃を仕掛けた。これで少しでも自分に注意を向けられれば儲けものだ。 「な、なんだぁ……うおっ!?」 新手の乱入に戸惑う余裕も与えてくれず。いきなり放たれたビームに、被弾するビッグデュオ。 「くそ、殺し合いに乗った奴か!?やべぇ!」 ビーム砲によるダメージはさほどではない。 ビッグデュオの機体性能を生かせば、新たな敵機と渡り合うことも可能だろう。 だが問題はガイアだ。動かなくなったガイアは格好の的でしかない。 タスクはプルを庇うために、機体を盾にするべく巨人をガイアのもとへと移動させる。 が、その行動もまた新たな誤解を呼ぶことになった。 「あーっ!?てめぇぇ、少しは空気を読まないかぁぁぁ!!」 どこまでも非道なその振る舞いに、ガイは叫んだ。 自分を無視して、あくまでも少女を殺さんとする悪しき巨人……どこまでも許し難い。 ゲキ・ガンガー3のスピードを全開にして、ガイもまた少女の下へと駆けた。 しかし、これはまずい。距離が離れすぎている。 この距離では、自分のゲキ・ガンガーより先に巨人が少女のもとにたどり着いてしまう。 それを許せば、終わりだ。 心無き殺人者により、あの機体諸共少女の命が失われることになる。 あのヴィンデルにより首を爆破された、仮面の男のように。 「くっそぉぉ!!間に合えぇぇぇぇぇぇ!!!」 さすがのガイにも、焦りを表情に滲ませずにはいられなかった。 唯一の飛び道具を巨人に向けて撃ちまくるも、非力なビーム砲では巨人の足止めすら叶わない。 だがそれでも、たとえ悪足掻きに見えようとも、ガイは諦めることはない。 「うおおおおおおおおおおおおお!!!!届け、ゲキ・ガンガー!!! ゲキガン・パァァァァァァァァンチ!!!!!」 無我夢中で、機体の拳を前へと突き出す。 その時、不思議なことが起こった――! ガイの、ゲキ・ガンガーを信じる愚直なまでに純粋な魂の叫びに応えたのか。 ゲキ・ガンガー……否、ソーラーアクエリオンの新たな力が解き放たれる。 突き出された右腕に、奇跡の力が宿った。 腕が――伸びたッ!! 「ウソやっ!?」 その変化に、タスクは我が目を疑った。 アクエリオンの腕に新たな関節が凄まじい勢いで次々と増殖していく。 その拳は真っ直ぐに、ビッグデュオのいる場所へと迫ってくる。 ありえない光景に、一瞬、タスクは防御を忘れた。 だがこのタイミングで、隙を見せることは致命的―― 「が……っ……!?」 コックピット内部に、激しい衝撃が襲い掛かる。 アクエリオンの拳が、ストレートにビッグデュオの胸部を捉えていた。 しかし、それだけには留まらない。 「そのまま……いぃぃぃっけぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 腕はさらに際限なく伸び続ける。 その拳に巨人を捉えたまま、真っ直ぐに伸び続ける。 腕の関節が無尽蔵に増殖を繰り返し、猛烈な勢いで。 ビッグデュオ諸共、ただひたすらに拳は飛んでいく。 どこまでも、どこまでも、どこまでも―― 「ぐああぁぁぁあぁああああああばばばばばばばばばばばばばばばっっっ!!!!」 既にビッグデュオはバランスを崩し、その身の全てをアクエリオンの拳に任せていた。 放たれる拳の勢いのままに大地を抉りながら、ただひたすら猛烈な勢いで後ろに押し流されていく。 無論、それに伴いコックピット内に響く衝撃は、半端なものではない。 (どこまで!?どこまで伸びるんだ、こりゃあ!?) このまま世界の果てまで押し出されそうな錯覚すら覚えた。 それに抗うべく、揺れるコックピットの中で操縦桿に手を伸ばす。 視界が、焦点が定まらない。それでも、懸命に手を伸ばす。 そして、ようやく操縦桿に届いた、その時。 一際大きな衝撃が、ビッグデュオに襲い掛かった。 「がはぁっ!!」 タスクの視界が暗転した。 身体が一瞬宙に浮き、上下感覚がなくなる。 直後、コックピットがひしゃげるような轟音が鳴り渡り。 全身がバラバラになるかのような振動が響いて―― ――静寂が訪れた。 コックピット内の振動も止まった。 そこで、タスクは後退がようやく収まったことを知る。 朦朧とする意識の中で、タスクは見た。 巨人の胸に突き刺さっていた拳が離れ、伸びた腕がそのまま逆戻りしていくのを。 * * * * * * * * * * * 「おぉ……す、すげぇ……」 伸びた腕が帰ってくる。やがて腕は元の長さまで戻り、何事もなかったかのように元の鞘へと収まった。 ソーラーアクエリオンの腕に起きた突然の変化には、ガイ自身も呆気に取られるほかなかった。 まるでマンガだ。常識で考えられることではない。 「すげぇ……腕が伸びやがった!すげぇぞゲキ・ガンガー!」 もっとも、彼はそんな細かいことにとらわれる人間でもないが。 テレビで見ていた本物のゲキ・ガンガーとは毛色こそ違うものの、これは間違いなくゲキ・ガンガーだ。 彼が憧れ、待ち望み、求めていたスーパーロボットに他ならなかった。 否応なしに、興奮が彼の身体を駆け巡る。だが、それに浸っている場合ではない。 倒れた、黒い獣のような人のような機体――ガイアガンダムに、視線を移した。 「助けて……くれたの……?」 アクエリオンを見上げながら、プルは呟いた。 「なんで……?みんな殺さなきゃいけないのに……ジュドーにだって、会えない……」 「心配するな!君はそんなことをする必要はない!全ては俺に任せておけ!!」 呆然と呟く少女に、ガイははっきりと言ってみせた。 根拠のない自信と言動、だがそれも時として頼もしさとなることもある。 「このバトルロワイアルなんて、俺がぶっ潰してやる! そして君も、そのジュドーって奴に会わせてやるさ!」 「ジュドー……に……?」 特に、こういう殺し合いの場では。死の恐怖を経験した直後の、幼子の場合には。 「俺はガイ……ダイゴウジ・ガイだ。君は俺が守ってやる!」 「ガ……イ……」 その言葉を最後に、少女は気絶したようだった。緊張の糸が切れたのだろう。 (大した怪我もないようだし、しばらく寝かせておいてやるか) 少女を襲っていた赤い巨人は、ゲキガンパンチで遠くまでぶっ飛ばした。だが、倒したという確証はない。 もし生きていたなら……それを放置しておくわけにはいかないだろう。 助けを求める無力な少女を、容赦なく殺しにかかるような外道だ。新たな犠牲者が出る可能性は否定できない。 「心無き悪党め……しかぁしっ!!このダイゴウジ・ガイがいる限り、お前の好きにはさせん!」 巨人を吹っ飛ばした方角に向けて、ビシッと指をさし宣言する。 続いてその指を空へと向け、この状況を見て楽しんでいるであろう諸悪の根源へと叫んだ。 「そして見ていろヴィンデル・マウザー!!お前達の思い通りにはならん!! 悪の野望は俺とゲキ・ガンガーが打ち砕いてやるッッ!!!」 朝日をバックに、勝利を誓う男。なんと頼もしい姿だろう。 眠る少女の近くで大声出すのはどうかとは思うが、それは抜きにして。 弱きを助け、悪党どもを挫く。これこそまさしくヒーローの姿。 実は殺し合いに乗っていたのはプルで、最初に仕掛けたのも彼女で。 タスクはそれにも関わらず、彼女を助けようと頑張っていたわけだが…… そんなことはガイが知る由もなかった。 世の中は無情である。 【ヤマダ・ジロウ 搭乗機体:ソーラーアクエリオン(創聖のアクエリオン) パイロット状態:絶好調 機体状態:良好。エネルギー少量消費 現在地:E-2 第一行動方針:目の前の女の子を助ける。 第二行動方針:仲間になってくれる参加者を探す。 第三行動方針:女の子をジュドーとかいう奴に会わせてやる 最終行動方針:打倒ヴィンデル! 備考1:アクエリオンをゲキ・ガンガー3と名付けた。 備考2:エレメントシステムについての説明はちゃんと目を通していない 備考3:タスク(ビッグデュオ)を危険人物と認識しました】 【エルピー・プル 搭乗機体:ガイアガンダム(機動戦士ガンダムSEED DESTINY) パイロット状態:気絶 機体状態:変形途中形態のまま一時的な行動不能。多少の損壊。 現在地:E-2 第一行動方針:……(気絶中) 最終行動方針:なんでもいいのでおうちに帰る(正直帰れれば何でもいい) 備考:名簿は見てなく、ジュドーがこちらにいることに気づいてません】 【1日目 07 30】 さっきのあの子、今頃あのロボットにやられちまってるだろうか。 そう考えるだけで、俺の端正な顔が悔しさに歪む。 助けてやれなかったどころか、今じゃ自分の命の危機ときた。情けないったらない。 でも、だからと言ってこのまま燻ってる場合じゃねぇ。 全身に響く痛みに耐えつつ、俺は状況確認のために機体を操作していた。 コックピットを中心にダメージこそあれど、ビッグデュオは問題なく動くようだ。頑丈なこった。 ただ機体は平気でも、中にいる俺自身のダメージは無視できるもんじゃなかった。 あばらが完全にいっちまってるのは間違いない。他にも身体を動かすたびに、各所から悲鳴が上がる。 頭からも軽く出血してるみたいだし……こいつは少し動いただけでも結構な苦痛だ。 まだ始まったばかりだってのに、いきなりなんてザマだ。 モニターにマップが映し出され、現在位置が表示される。 どうやら今いる場所はD-1……ちょうど灯台の真下にいるようだ。 無限に続くかと思われたあのズームパンチが止まったのは、灯台にぶつかったせいだろう。 ……ってちょっと待て。D-1って何だ、俺がさっきまで戦ってたのはE-2だったはずだぞ。 この地図を見る限り、1エリアの対角線に近い距離を押し出されたことになるわけだが。 ……。 待て待て待て。おかしいだろ、これ!一体どんなトリックだ!? 1キロ2キロの距離じゃないんだぞ!?そんな長い距離を腕が伸びたってのか!? どういう構造してるんだ、さっきのロボットは。ラージじゃないが、解体してみたい衝動に駆られる。 あるいはマシンセルのようなナノマシンの類か?いや、斬艦刀だってあそこまでメチャクチャじゃないぞ。 それとも修行したらロボットでもここまで伸ばせるものなのか。帰ったらラーダさんに聞いてみよう。 今までいろんな非常識を見てきたし、滅多なことでは驚くまいと思ってたが……ありゃあ規格外だぜ。 苦笑いしながら、シートに深く背を倒す。 正直、よく生きていられたもんだと思った。この悪運、キョウスケ中尉とタメ張れるかもな。 だがその悪運も、後に続かなければ消え失せるだけだ。 もしこの後、さっきの腕が伸びるロボットの追撃を受ければ。 そうでなくても、殺し合いに乗った奴に見つかれば……それで俺は終わりだ。 または、このまま誰にも見つからず放置されて、このエリアを禁止エリア指定された日には…… 畜生、ネガティブなこと考えてるうちにだんだん眠くなってきやがった。 ――あれ?嘘だろ?意識が沈んでいく。 死ぬのか?まさかこのまま、死んじまうのか?俺は。 俺の人生、こんなので終わりだってのか?冗談じゃねぇぞ。 こんなわけのわからない所でわけのわからないままわけのわからない攻撃で殺されてたまるか。 まだやり残したことが山ほどあるんだ。 だってのに、身体にろくに力が入らない。 ちくしょう……目の前が霞んできやがった―― 俺が死んじまっちゃぁ…… あいつ、泣いちまうんだろうなぁ。 ちくしょう。 俺は、まだ、あいつに―― レオ――ナ―― 「聞こえる!?これに乗っている人、生きているなら返事をなさい!」 ……っとと。聞き覚えのある声が、突然耳に届いた。 どうやら、俺の悪運はまだ消えていないらしい。 モニターに、見慣れない機体が映っていた。だが、俺の中に不安はない。 見つけてくれた。それも、何より心強い仲間に、だ―― 「あ……ヴィレッタ姐さんじゃないスか」 「その声……タスクなのね!?」 安堵の溜息が思わず漏れた。自分の中の緊張の糸がプチプチと切れていくのがわかった。 この人が見つけてくれるとは、本当についている。 「ハハ……すいません、ちょっと自分でろくに動けない状態でして」 「大丈夫!?すぐそっちに向かうわ!」 「お手間かけるッス」 それだけ言って、もう一度シートに身を任せた。 安堵に任せて、徐々に意識が遠ざかっていく。 程なくして、ハッチが開いた。そこから、ヴィレッタ隊長が入ってくる。 「タスク!」 「へへ、助かりましたよ姐……さ……!?!?」 驚愕の光景が、俺の目に飛び込んできた。 何が凄いって――姐さんの格好だ。 これは何だろう、水着かボンテージか。 露出度が異常に高いそのスーツは、透き通るような白い柔肌を惜しげもなく晒し、 モデル並みに整ったボディラインをこれ以上ないほどに魅せていた。 この上黒い色がまた、何ともいえぬ大人の妖艶な雰囲気を醸し出している。 引き締まったウェストにヒップ……そして豊満で且つ形の整ったバストは、 それを支える下着を着けていないのか、挑発的なまでに揺れていた。 ついでに言うなら、少し赤みのかかったコックピット内の明かりが、 その艶かしいボディをさらに妖しく引き立てていた…… う…… うわぁ。 こ、これは、なんというか……ものすごいものを見てしまった。 いや、つーか……何やってんスか、姐さん。 一体何考えてそんな格好を。 言葉が出てこない。 頭が真っ白というか、真っピンクというか――あれ――? 意識が遠ざかっていく。 待て、もう少し耐えろ俺の意識よ! まだ全然堪能してねぇ!あと少し、あと少しだけ持ってくれ俺の命!! こんな素晴らしい光景を前にして、俺は何もできずに死ぬっていうのか!? くっ…… 無念…… タスク・シングウジ、一生の……ふか……く―― 実に幸せそうな表情のまま、タスクの意識は闇に堕ちていった。 ――ところで、本人はもっともらしくシリアスを気取っていたようだが。 彼の怪我は確かに軽くはないが、別に 命 に 別 状 は な い ことだけ付け加えておく。 【タスク・シングウジ 搭乗機体:ビッグデュオ(THE BIG・O) パイロット状態:気絶。全身強打、あばら骨数本骨折、頭部より出血 機体状態:コックピット周辺部にダメージ 現在位置:D-1 灯台下 第一行動方針:姐さんの姿を……もう一度……ッ(気絶中) 第二行動方針:仲間になってくれる参加者を探す。 最終行動方針:殺し合いには乗らず、仲間と合流して主催者を打倒する】 ヴィレッタ・バディムは、かつて地球とエアロゲイダーの二重スパイとして活動していた過去がある。 スパイは、的確な状況分析力と判断力を要する。目先の感情だけで動くなど論外。 刻一刻と変化する状況を正確に掴み、立ち回る。でなければ、自らの身に危機が降りかかる。 そうした彼女の能力はスパイ活動のみならず、SRXチームの隊長職においても遺憾なく発揮されていた。 ……では、そんな優秀な彼女の視点から見て、このバトルロワイアルはどうだろうか。 最後の一人になるまで殺し合えと言われた。 しかも自分には、二回目の放送までに二人殺さなければ死、というさらなる枷が加えられている。 そして嵌められた死の首輪。 果たして、この状況下まともでいられる人間がどれだけいるだろうか。 恐怖に駆られ、暴走する者も出るであろう事は、想像に難くない。 ――それは、ヴィレッタ自身にも当然、同じことが言える。 殺し合いに乗った相手を潰せれば、それに越したことはない。 だが、この厳しい現実を考えれば、理想でしかないことは確かだ。 本気で自分が生き延びるならば……その手を血に染める覚悟はしなければならない。 そして、彼女にはその覚悟はあった。 ――では、仲間を殺す覚悟はあるのか? 目の前に、タスクが倒れている。随分と幸せそうな寝顔だ。 見た限り、命には別状はないようだ。しばらく入院でもすれば、すぐに復帰できる程度の怪我だろう。 だがそれは満足な医療施設が整っている環境にあっての話だ。 少なくとも、この過酷な状況の中で三日やそこらで治るような浅い傷でもない。 これから先の戦い。そう、シャドウミラーを相手に共に戦うにしても。 怪我の具合から考えて、戦力として数えるのはあまりに厳しいものがある。 酷なようだが、今後は彼は戦力外……足手まといとなる可能性が高いと言わざるを得ない。 ――逆に言えば、今の彼なら容易に殺すことができる。 (――ッ!?) 自らの思考の中にチラチラと混じるノイズを振り払う。 だが、彼女は冷静な判断力を兼ね備えていた。 だからこそ、彼女の思考はある一つの選択肢へと導かれる。 早く人を二人殺さなければ、自分の命はない。 そして、目の前には、容易に殺せそうな命が一つ。 そこから導き出される選択肢は―― ――チャンスは逃すな。そうそう、訪れるものではない。 (私は……何を馬鹿なことを……!?) 断っておくが、別に彼女は薄情なわけでも、命惜しさに心が屈しかけているわけでもなんでもない。 ただ、情報分析を冷徹に行える彼女だからこそ、その選択肢に辿り着いた。 あくまで現在の状況を正確に踏まえた上で挙げられた、数ある手段の一つにすぎない。 当然のように、その選択肢をすぐに却下した。 元より、彼女はそんな選択肢など選ぶつもりはない。 死ぬ気などないが、かといってかけがえのない仲間を殺して自分だけ生き延びようなどとは思わない。 ――そこまでの覚悟もない。 かつて仲間を欺き続けてきたことに対する負い目は、彼女の心の奥底に、今なお燻っているのだから。 だが、しかし――? バトルロワイアル。残酷な殺人ゲームは、絆を破壊し、人を狂わせる。 ヴィレッタとて、それは決して例外ではない。 「……疲れているのかしら、ね……」 首の薄皮一枚を隔てて伝わってくる死の感触は、酷く冷たかった。 すぐには、慣れそうにない。 【ヴィレッタ・バディム 搭乗機体:ガルムレイド・ブレイズ(バンプレストオリジナル) パイロット状況:DFCスーツ着用、ちょっと恥ずかしい 機体状況:良好 現在位置:D-1 灯台下 第一行動方針:タスクの救助 第二行動方針:ギリアムを探し、シャドウミラーについての情報を得る。 第三行動方針:出来る限り戦闘は避け、情報を集める。戦いが不可避であれば容赦はしない。 第四行動方針:ノルマのために誰かを殺害することも考えておく。 第五行動方針:そう、誰かを……? 最終行動目標:生き残って元の世界へ帰還する】 ※参戦時期はOG外伝終了後。 【1日目 07 40】 BACK NEXT 042 破滅を望む者、破滅を呼ぶ物 投下順 044 3+14=?? 041 サバイブ 時系列順 034 さらなる迷走 BACK 登場キャラ NEXT 003 レッツゴー! アクエリオン! ヤマダ・ジロウ 074 The Hero 013 巨人と獣と人間と エルピー・プル 074 The Hero 013 巨人と獣と人間と タスク・シングウジ 066 儚くも永久のカナシ 031 JOKER 7 ヴィレッタ・バディム 066 儚くも永久のカナシ
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ヴィレッジ那須ゴルフクラブをお気に入りに追加 楽天課 <ヴィレッジ那須ゴルフクラブ> 楽天GORAでコースガイドを見る、予約をする。 情報1課 <ヴィレッジ那須ゴルフクラブ> #bf 外部リンク課 <ヴィレッジ那須ゴルフクラブ> ウィキペディア(Wikipedia) - ヴィレッジ那須ゴルフクラブ 楽天GORAで探す プレー曜日 平日 土日祝 プレー料金 指定なし 5,000 7,000 9,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 20,000 円~ 指定なし 5,000 6,000 8,000 10,000 11,000 13,000 15,000 17,000 19,000 21,000 23,000 25,000 円 エリア 全地域 北海道・東北 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 関東 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 長野県 静岡県 北陸 新潟県 富山県 石川県 福井県 中部 岐阜県 愛知県 三重県 近畿 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 中国 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 四国 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 九州・沖縄 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 海外 Amazon.co.jp ウィジェット 保存課 <ヴィレッジ那須ゴルフクラブ> 使い方 サイト名 URL 0314_golf-ladies_165x100%5B1%5D.jpg ezaki-g165.jpg 20090902_golf_putter_165x100.jpg 1221_golf-comparison_165x100.jpg 情報2課 <ヴィレッジ那須ゴルフクラブ> #blogsearch2 成分解析課 <ヴィレッジ那須ゴルフクラブ> ヴィレッジ那須ゴルフクラブの73%は怨念で出来ています。ヴィレッジ那須ゴルフクラブの27%は電力で出来ています。 報道課 <ヴィレッジ那須ゴルフクラブ> U15全国ジュニアゴルフクラブチーム対抗戦が開催 18ホール決戦の優勝はTEAM KANAGAWA | ゴルフのポータルサイトALBA.Net - ゴルフ情報ALBA.Net 情報3課 <ヴィレッジ那須ゴルフクラブ> #technorati JAWS_260.jpg CAJ3CYVY.jpg 楽天GORAゴルフ場索引 北海道・東北 関東 北陸 中部 近畿 中国 四国 九州・沖縄 海外 楽天売れ筋ランキング ゴルフ総合 クラブ(メンズ) クラブ(レディース) ボール グローブ シューズ メンズウエア レディースウエア バッグ ヘッドカバー トレーニング用具 パーツ 小物 コンペ用品 その他 楽天売れ筋ランキング レディースファッション・靴 メンズファッション・靴 バッグ・小物・ブランド雑貨 インナー・下着・ナイトウエア ジュエリー・腕時計 食品 スイーツ 水・ソフトドリンク ビール・洋酒 日本酒・焼酎 パソコン・周辺機器 家電・AV・カメラ インテリア・寝具・収納 キッチン・日用品雑貨・文具 ダイエット・健康 医薬品・コンタクト・介護 美容・コスメ・香水 スポーツ・アウトドア 花・ガーデン・DIY おもちゃ・ホビー・ゲーム CD・DVD・楽器 車用品・バイク用品 ペット・ペットグッズ キッズ・ベビー・マタニティ 本・雑誌・コミック ページ先頭へ ヴィレッジ那須ゴルフクラブ このサイトについて 当サイトはキーワード毎にインターネット上の情報を時系列に網羅したリンク集のようなものです。ページをブックマークしておけば、ほぼ毎日そのキーワードに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、キーワードが同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
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キャラ 時期 作品・概要 マサキとギリアム OG1 第31話「仮面の下にある顔は」 出典はSFC「ヒーロー戦記」。この二人のやりとりからSFC「ヒーロー戦記」の最終パーティにはマサキがいたようである。それを示す傍証として、ギリアムはシュウに対してはこのような反応を見せていない。ちなみに最終メンバーの最後の一人はマサキ、シュウ、シーブック(ガンダムF-91)の三択。本来マサキやシュウが最終メンバーになるのは隠し要素。 リュウセイとヴィレッタ OG1 ヴィレッタとリュウセイが顔を会わせた時 出典はPS「スーパーヒーロー作戦」。当時はヴィレッタ・プリスケンと言う名前の主人公だったのに…余談だが、同作品はスーパーロボット大戦αのプレストーリーとも言える内容になっている。 ファイターロアと量産型ゲシュペンスト OG2.5 第2話「修羅の予兆」 出典はSFC「バトルドッジボール2」。ロアとゲシュペンスト(中身はギリアム)がチームメンバーだった事からこの話が来ていると思われる。余談だが、ロアの妹・エミィも同じチームである。
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ラトヴィレッジの卯人【うじん】 自然文明 (1) クリーチャー:ウォークラビット/ビーストフォーク 1000 ■このクリーチャーを召喚した時、手札を1枚、山札に戻してシャッフルする。 作者:黒揚羽 フレイバー・テキスト DMB-05 「アリスエイジ」『親父が猫でも拾ったのか?』― ラトヴィオン俗語集 収録セット DMB-05 「アリスエイジ」-コモン 評価 名前 コメント
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待ち受け一覧 |No.|内容|レアリティ|画像 001 カレン(01)9 002 咲世子(01) 003 ラクシャータ(01) 004 ディートハルト(01) 005 仙波(01) 006 卜部(01) 007 千葉(01) 008 朝比奈(01) 009 玉城(01) 010 扇(01) 011 藤堂(01) 012 C.C.(01) 013 ゼロ(01) 014 黒の騎士団 集合 015 ユフィ(01) 016 セシル(01) 017 セシル(02) 018 ロイド(01) 019 ヴィレッタ 020 ジェレミア(01) 021 ジェレミア(02) 022 ダールトン(01) 023 ギルフォード(01) 024 スザク(01) 025 スザク(02) 026 コーネリア(01) 027 皇帝(01) 028 ブリタニア軍 集合 029 ナナリー(01) 030 リヴァル(01) 031 シャーリー(01) 032 ニーナ(01) 033 ミレイ(01) 034 スザク(03) 035 カレン 036 ルルーシュ(01) 037 シャーリー 038 ミレイ(02) 039 スザク(04) 040 カレン(03) 041 ルルーシュ(02) 042 夏服 集合 043 スザク ゼロ ユフィ 044 ジェレミア ヴィレッタ 045 セシル スザク ロイド 046 ダールトン&コーネリア&ギルフォード 047 ルルーシュ ナナリー 048 藤堂 四聖剣 049 ニーナ リヴァル ミレイ シャーリー 050 スザク ルルーシュ 051 スザク ユフィ 052 カレン ゼロ 053 ランスロット スザク 紅蓮弐式 カレン 054 ガウェイン&ゼロ&C.C. 055 グロースター コーネリア ガウェイン ゼロ 056 皇帝&ルルーシュ&マリアンヌ 057 ランスロット 058 雷光 059 無頼 060 サザーランド 061 ジークフリート 062 グロースター 063 月下 064 紅蓮弐式 065 ガウェイン 066 月下 グロースター 067 紅蓮弐式 ランスロット 068 ガウェイン グロースター 069 ガウェイン ランスロット 070 月下&ガウェイン&紅蓮弐式 071 カレン(04) S 072 咲世子(02) A 073 セシル(03) A 074 ヴィレッタ(02) A 075 シャーリー(03) A 076 ニーナ(02) A 077 ミレイ(03) A 078 コーネリア(02) A 079 スザク(05) A 080 ルルーシュ(03) A 081 ユフィ(02) S 082 ナナリー(02) S 083 C.C.(02) S 084 水着集合 S 085 C.C.(03) A 086 ニーナ(03) A 087 ミレイ(04) A 088 シャーリー(04) A 089 スザク(06) A 090 ルルーシュ(04) A 091 リヴァル(02) A 092 ナナリー(03) A 093 リヴァル(03) A 094 ダールトン(02) A 095 ギルフォード(02) A 096 ジェレミア(03) A 097 ニーナ(04) A 098 咲世子(03) A 099 ナナリー(03) A 100 ユフィ(03) A 101 ミレイ(05) A 102 シャーリー(05) A 103 カレン(05) A 104 リヴァル(04) A 105 ジェレミア(03) A 106 藤堂(02) A 107 セシル(04) A 108 咲世子(04) A 109 神楽耶(01) A 110 ナナリー(04) A 111 スザク(07) A 112 ルルーシュ(05) A 113 カレン(06) A 114 神楽耶(02) A 115 千葉(02) A 116 スザク(08) A 117 ルルーシュ(06) A 118 神楽耶(03) A 119 カレン(07) A 120 C.C.(04) S 121 セシル(05) S 122 ナナリー(05) S 123 ヴィレッタ(03) S 124 ミレイ(06) S 125 シャーリー(06) S 126 神楽耶(04) S 127 ユフィ(04) S 128 カレン(08) S 129 C.C.(05) S 130 ジェレミア(04) S 131 セシル(06) S 132 ヴィレッタ(04) S 133 ミレイ(07) S 134 シャーリー(07) S 135 スザク(09) S 136 ルルーシュ(07) S 137 カレン(09) S 138 コーネリア(03) S 139 ユフィ(05) S 140 コーネリア ユフィ S 141 ユフィ スザク S 142 C.C. ルルーシュ S 143 スザク ナナリー ルルーシュ S 144 ルルーシュ スザク S 145 浴衣集合 S 146 ナース集合 S 147 執事 メイド集合 S 148 カレン(10) SS 149 C.C.(06) SS 150 ユフィ(06) SS 151 ジェレミア SS 152 神楽耶(05) SS 153 ヴィレッタ(05) SS 154 ナナリー(06) SS 155 ミレイ(08) SS 156 シャーリー(08) SS 157 セシル(07) SS 158 スザク(10) SS 159 ルルーシュ(08) SS --- -------------- -- ----- 160 レイラ&アキト 161 アヤノ 162 ユキヤ 163 リョウ 164 レイラ 165 アキト --- -------------- -- ----- 166 C.C. 167 シャーリー 168 スザク 169 ナナリー 170 ナナリー 171 ミレイ 172 ユフィ 173 ルルーシュ 174 ルルーシュ 175 カレン 追加・編集要望コメントはこちらへどうぞ リスト&画像すべて載せました。間違いが有ればご指摘下さい。 名前 コメント
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「いけ、ファングナックル!」 ガルムレイド・ブレイズが右腕のファングナックルを発射する。 二形態の内、現在はS形態を取っているガルムレイド・ブレイズ。 TEソフィアによる防御はあるものの、青い躯体の至る所に見られる損傷がゴライオンの猛攻の跡を示している。 ウルフヘッドを模した拳が牙をむき、その獰猛な口を開きながら一直線にゴライオンへ飛ぶ。 エリアC-2の北部から始まった戦闘は西部までに移動している。 その間のゴライオンとの戦闘経験からヴィレッタは先ず直撃のコースだと推測する。 事実、ゴライオンにファングナックルを避けようとする動きは見られない。 「うおおおおおおおおおおおおおお!!」 元々レーベンにファングナックルを避わすつもりはなかった。 一歩も退くことなく、ゴライオンが大きく右腕を振りかぶる。 向かってくるファングナックルとタイミングを合わせ、真っ向からぶつかる。 そう、レーベンはゴライオンの右腕でファングナックルを撃ち返した。 ファングナックルは堪らずガルムレイド・ブレイズの右腕に戻る。 右拳だけとはいえ勢いを全く意に介さず、殴り返したゴライオンの馬力はやはり強烈なものだ。 思わずヴィレッタは下唇をかみしめる。 「どうした女! その程度か!?」 加えて操縦者の方も厄介だ。 確かレーベン・ゲネラールと此処に来るまでに名乗っていた。 先程より少しは落ち着いているようだがそれでも面倒なことに変わらない。 だが、このレーベンは出来るだけ迅速に突破、もしくは撃破しなければならない。 分散することになったタスクとの合流を目指す必要があるためだ。 そして気がかりな事はまだあった。 (先程私の声に反応した参加者……たしかイスペイルという男だったハズ。 タスクにジョーカーのことが知られたら、面倒ね……) レモン・ブロウニングにより指名された7人のジョーカー。 十六時間以内に同じジョーカー以外の参加者を二人殺さなければ首輪が爆発されるルール。 ヴィレッタはそのルールを押しつけられた一人であり、同じ境遇の者がヴェルシーネRに乗っていた。 確認したわけではないがあの特徴的な声はイスペイルという男だろう。 あれでタスクは勘のいい青年だ。あの時、自分の声に反応したイスペイルを疑問に思ったかもしれない。 もしタスクがジョーカーのルールを知ってしまえば自分は選択しなければならない。 即ちタスクとこのまま行動を共にするか、ジョーカーとして他者と戦っていくかを。 だが、生憎ヴィレッタの選択は未だ決まっていない。 (結局は答えが出なかった……時間はあったというのに。 タスクに知られずとも、決めなければ……そう、すぐにでも……!) タスクが気絶していた間、ずっと考えていた。 不用心に気を失うタスクを殺せばノルマの半分は達成される。 考えたくはなかったが、自分でも驚くほどにその考えは自然に零れ落ちた。 しかし、裏切りたくはないという強い思いが実行には移さなかった。 タスクを含め仲間達は、エアロゲイダーの二重スパイとして活動した自分を受け入れてくれた。 そんな彼らをもう一度裏切りは、それも殺すなどは到底出来ない。 だけども、レモンの言っていたノルマを実行しなければ自分はここで終わってしまうだろう。 異星人の一種と思わしきテッカマンランスをいとも簡単に殺した、首輪の爆弾は今でも首に巻きつけられている。 首輪を外せばノルマに従う必要もないが、ここまでの事を仕込む彼らがそれを許すとは思えない。 懸念材料が多い現状では、結局、ヴィレッタはまだ決められはしない――。 「何を呆けている! 女アアアアアアアアアアアアアア!!」 迂闊だったと咄嗟にヴィレッタは自らの行為を悔やむ。 ジョーカーとしてという特殊な身の上から思考に没頭してしまったヴィレッタ。 ヴィレッタが見せた隙は当然ガルムレイド・ブレイズの動きにも伝わり、レーベンはそこを狙った。 ゴライオンは腕を振りかぶり、持っていた十王剣を思いきり投げつける。 充分に乗せられた勢いが十王剣に強力な加速をもたらす。 避けきれない。ヴィレッタの判断は間違ってはいなかった。 TEスフィアを破り、ゴライオンより下方を飛行していたガルムブレイド・ブレイズの肩に十王剣が突き刺さる。 体勢を崩したガルムレイド・ブレイズにゴライオンは更に追撃をかける。 右腕を十王剣へ伸ばし、強引に引き抜くだけでなく右脚で蹴り飛ばす。 「ちっ、この……!」 「こんどこそ本当に終わりだ! 所詮エーデル准将以外の女など、生きる価値などないッ!!」 ガルムレイド・ブレイズが見る見るうちに海上へ落ちていく。 ゴライオンは再び接近。十王剣を逆手に持ちかえ、そのまま振り下ろす。 ガルムレイド・ブレイズの胴体を串刺しにせんと迫る。 堪らず両肩のビームキャノン砲と腰のビームバルカンを乱射するが、ゴライオンは損傷をものともしない。 鬼気迫る勢いを以ってして突撃するゴライオンは既に攻撃に一身を捧げている。 ヴィレッタが己の危機を悟った瞬間、ガルムレイド・ブレイズの下方に存在する海で水しぶきが舞い上がった。 「熱源反応!? これは……!」 驚くヴィレッタを尻目に海中から何かが飛び出す。 一本の赤いドリルが海水を出鱈目に撒き散らし、ゴライオンへ向かっていく。 続けて見えたものは白に染まった強大なショルダーアーマーに、黒を基調とした躯体。 背部には先程飛んできたものと同じく血に染まったように赤いドリルがある。 何よりも鬼と相応しき顔面から覗く緑眼がこちらを見上げている。 両目を見張るヴィレッタには見覚えがあった。 それは武人と称するに相応しい男と死闘を繰り広げた人造人間の専用機。 アースクレイドルに座する主の敵を断つ、斬艦刀を持ちしその機体の名は――スレードゲルミル。 「俺はザフト軍ミネルバ隊所属のシン・アスカ! アンタたち、レイ・ザ・バレルを知らないか!? 知っていたら教えろ……拒否は許さない!!」 パイロットはザフトのスーパーエース。 そして悲しき復讐者、シン・アスカ。 紅に染まった両眼がガルムレイド・ブレイズとゴライオンを鋭く睨みつける。 ◇ ◇ ◇ そこは真っ暗な海の底だった。 周囲に居るものは自由気ままに泳ぐ魚やサンゴ礁ぐらい。 もし、死んだあとにこうやって海に沈んだらゆっくりと眠れることだろう。 憎しみも争いも何ものかも忘れることが出来て、いつまでも安らかに。 海の流れにスレードゲルミルを任せ、その中でシンはそんなことを考えていた。 (フリーダムは討った……この手で、確かに……) ニュートロンジャマーキャンセラー搭載機、フリーダム。 かつて血のバレンタインと呼ばれる悲劇から起きた戦争中に奪取された機体。 シンにとってフリーダムは全てを奪い、また今の自分をつくらせた存在でもある。 ザフトと連合の戦地となった永久中立国オーブ。 一般の民間人でしかなく、戦火から逃れようとしたシンはそこで家族を失った。 父を、母を、そしてたった一人の妹すらも。彼女が伸ばした細い腕を掴んではやれなかった。 全てはフリーダムが起こした戦闘の流れ弾のせい。 だからこそシンは願った。守れる力を、大事なものを奪おうとするものを倒せるだけの力を。 出来るだけの努力は続け、その結果がザフトの士官学校での首席卒業を可能とさせた。 もう二度とあんな悲しい想いは繰り返さない。フリーダムのようなヤツは必ず、自分で斃す。 ただそれだけを願い、妹の面影を忘れずにシンは戦い続けた。 そしてシンはようやくフリーダムを斃すことに至った。 その筈だった。 (だけど俺は……) しかし、喜びはなかった。 残ったものはどうしようもない空虚感のみ。 ずっと燻っていた願いを果たせたというのに。 理由は痛いほどわかっている。 ドモン・カッシュ、そして自分のために死んだジャミル・ニートの存在がしこりとして残っている。 彼らは自分に殺し合いに乗るなと言った。 一般の良識に当てはめれば彼らの言い分が正しいのだろう。 だが、ここでは常識など通じない。人一人の頭が四散したことで全ては始まった。 この異常な状況で良識を持って行動できるほど、シンは器用に自身の感情を抑えられない。 なによりも今度こそ護ると誓った少女のために、死ねるわけにはいかなかった。 既に何分経ったのかもわからない。 ぼんやりとした目で計器を見やる。 どうやらいつの間にか隣のエリアに流れていたようだ。 機体の方はというと――問題ない。マシンセルがずっと修復を行っていたようだ。 ドリルブーストナックルを撃つぐらい問題はない。 だが、問題があるといえばシン自身の方だ。 フリーダムを斃せたというのに、結局は得るものはなかった。 復讐をやり遂げてもこんな結末が待っているのはなんとなくわかっていたがやりきれない。 両親や妹のマユが戻ってくると信じたわけでもない。 だけど、何かが欲しかった。 どんな些細な事でもいい。せめて自分がフリーダムを斃せたことで何かが変わって欲しかった。 たとえばザフトと連合の下らない戦争の終結が一日でも速まるような変化が。 青春の全てをなげうって、鍛えぬいた技術に一定の成果があっても良かった筈だ。 戦って、戦い抜いて、そうして進んだ先に待つものがこの空虚だけだとしたら。 自分は一体何を求めて戦っているのか……それすらもわからなくなってしまう。 想像するだけでどうしようもなく怖かった。自分を導いてくれる何かが欲しいと強く思う。 ドモンやジャミルがいくら自分に立派な言葉を投げかけてくれたとしても、結局彼らは赤の他人だ。 あの皆城総士のように、本心では何を考えているかなんてわかりやしない。 しかし、あいつだけは違う筈だ。 (レイ……どこに居るんだ。俺はどうすればいい……教えてくれ、レイ。 スレードゲルミルは俺に何も教えてくれない……お前の、お前の言葉なら俺は……) レイ・ザ・バレル。あまり社交的ではないシンにとっての数少ない友人の一人だ。 士官学校時代からの同期でありその縁はかなり深い。 いつだってレイは冷静で、大抵のことは彼が言うとおりだった。 それはミネルバ隊に配属された後にも変わらない。 レイともう一人の同期、ルナマリアと共にザフトとして戦うと決めた。 ザフトの勝利を勝ち取るために、ギルバート・デュランダル議長の理想を実現するために、 そしてもう二度と大切な存在を失わないために。 あの頃の自分なら迷うことはない。 レイが進むべき道を指し示してくれれば、自分はそれに向かうだけだ。 だから当面の目的はレイとの合流だ。 襲われれば勿論迎撃する。ただ、問題は目の前で戦闘を目撃した際について。 レイ以外の人間は直ぐには信用できない。 たとえ危ういところを助けても絶対に裏切られないとは言い切れない。 だが、他者と接触すればレイの情報を得られる可能性もある。 レイなら自分と違って上手く立ち回っていることだろう。 出会った人間に言付けを頼み、自分を捜していてくれているかもしれない。 取り敢えずの思考は纏まった。 何十分かの静寂がシンの瞳に再び灯を宿させる。 まどろみを振りきり、シンはスレードゲルミルを海上へ飛ばそうとする。 そんな時、けたたましい声をスレードゲルミルのセンサーが捉えた。 『何を呆けている! 女アアアアアアアアアアアアアア!!』 一瞬唖然とするシン。 だが、直ぐに気を取り直して上を見やる。 センサーからは何かがぶつかり合う音が聞こえた。 戦闘だ。先程、自分が身を置いていた暴力の渦が頭上に広がっていた。 やるせなかった。結局は皆戦うことを望んでいると思ってしまったから。 襲う奴は必ず一人は居る。人間だから、周りは皆他人だから。 何も自分だけじゃない。自分のようにただ自分勝手に誰だって戦っている。 死にたくはないから、守りたいものがあるから、ただそれだけだろう。 自分もその一種と自覚するシンにそれを否定するつもりはない。 なら戦ってやるだけだ。真っ向から自分の守りたいものを他人の望みより優先させるために。 ひどく自分勝手なエゴに塗れた考えだが仕方ない。 レイの言葉を聞くまでの間、そのぐらい単純な方針でないと迷いは生じてしまう。 所詮は斃すべき敵でしかないドモンとジャミルの言葉に心を動かされてしまったのがいい例だ。 だから――レイと出会うまで精いっぱいこの状況を足掻く。それだけだ。 スレードゲルミルの両眼が一際鋭い輝きを放つ。 (やってやる……やってやるさ。目についたヤツ全員からレイの情報を聞き出す。口を割らないヤツは……後悔させるまでだ……!) 咆哮を上げながらスレードゲルミルは真っすぐ海上を目指す。 依然として己の道を彷徨う怒れる瞳が、剣鬼を再び戦場へ飛びこませる。 ◇ ◇ ◇ 「レイ・ザ・バレルですって……!」 「知っているのか、アンタ!?」 思わずシンの声が張り上げられる。 ヴィレッタを助けることになったのは偶然でしかない。 その偶然にも助けたヴィレッタがレイの言葉に反応を示した。 直ぐにでもレイの情報が入るかもしれない。 何よりもレイとの合流を目指すシンにとって紛れもなく幸運なことだった。 「いや、私は……」 「はぁ? 何を歯切れの悪いコトを言って……知っているのか知らないのかどっちなんだ!」 しかし、ヴィレッタの返答はなんとも不明瞭なものだ。 レイ・ザ・バレルのことは当然知っている。 何処に居るかはわからないが彼もまたジョーカーの一人だ。 レイについて話すということは当然ジョーカーの存在が露呈されることだ。 同時に自分もジョーカーであることも知られてしまう。 けれどもヴィレッタは未だ自分の身の振り方を決めてはいない。 この状況でジョーカーの存在を口に出してもいいものか。 一瞬の沈黙。ヴィレッタにとってはあくまでも一瞬でしかなかった時間。 だが、シンにとってその時間は長く感じられ、ヴィレッタへの疑惑を膨らませることになる。 「そういうことかよ……! 助けてやったのに、俺なんかに話すつもりなんかないってことかよ!」 「違う! ただ――」 「うるさい! 違うもんか! 信じられるものか!!」 表面上はあくまでも冷静を貫くヴィレッタの態度がシンの激情をますます駆りたてる。 シンは只でさえ頭に血が昇りやすく、そこにレイの情報も加わっている。 碌に喋ろうとしないヴィレッタにシンは敵意を露わにする。 最早取りつくしまもなく、シンはただその暴力に身を任す。 既に戻ってきていたドリルブーストナックルを腕に、それも今度は両腕に装填。 両腕を同時に振りかぶり、ガルムレイド・ブレイズだけを真っすぐと狙う。 「言っただろ、拒否は許さないって!」 一本でさえ強力なドリルブーストナックルが二本同時に発射。 凄まじい回転の果てに生まれる赤い火花が空に軌跡を残す。 反射的にヴィレッタはTEスフィアによる防御を選択。 TEスフィアの出力が間に合ったせいか、寸前のところで侵攻を喰いとめる。 流石はゼンガー・ゾンボルトとのダイゼンガーと互角に張り合った機体だけのことはある。 しかし、そこに更なる追撃が爆風をもって襲い来る。 「どけ! そいつは俺の得物だ! 女はこのレーベン・ゲネラールが殺してやる!!」 「くっ! 邪魔するなよアンタ!!」 声高らげに叫ぶはゴライオンを操縦するレーベン。 抜け目なくゴライオンのフットミサイルをガルムレイド・ブレイズに撃ちこんでいる。 またそれはガルムレイド・ブレイズだけでなくスレードゲルミルの方へにもだ。 レーベンにとってシンは女の殺害を邪魔立てしただけで殺す理由には充分すぎる。 シンに臆する理由もない。直ぐにレーベンに反撃を行おうと考える。 先ずはこれが終わってから――やはり信用に値しなかったヴィレッタに後悔の念を植え付けるために。 遂にはフットミサイルの威力も相まってTEスフィアが破られる。 両のドリルブーストナックルに喰いこまれたガルムレイド・ブレイズへスレードゲルミルが猛追をかけた。 胸部を抉るとらんとばかりに暴れ狂うドリルブーストナックルが耳障りな音をあげる。 「女アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」 「アンタのせいだ……アンタがレイについて話せば、こんなことにはあああああああああッ!!」 ガルムレイド・ブレイズは漸くドリルブーストナックルを振り払うがそこには悪夢のような光景があった。 スレードゲルミルだけでなく、ゴライオンまでもこちらへ向かっている。 奇しくも先ずはガルムレイド・ブレイズから始末しようと考えたのだろう。 ヴィレッタの頬を思わず冷や汗がつたう。これを危機と言わずになんと言えばいいか。 頭部の赤熱線・ブラッディレイやビームキャノン、ビームガトリングで応戦するが止められない。 依然として迫る危機の中、ヴィレッタは一つの案を捻り出す。 (こうなったらレイ・ザ・バレルのことをあのシン・アスカに……!) 幸い此処にはタスクは居ない。 自分がジョーカーであると露呈してもここで仕留めれば問題はないだろう。 そうすればノルマも達成出来、考えるための時間が延びる。 悪くはない考えだ。少なくとも仲間への裏切りよりか心が痛むことはない。 ジョーカーであることについての告白をシンは今更信じようとはしないかもしれない。 しかし、このままではいずれ撃破まではいかずとも今後の行動にも支障が出る。 とにかくこの状況を打破しなければ何も始まらない。 スレードゲルミルとゴライオンへの反撃を練りながら、ヴィレッタはガルムレイド・ブレイズの操縦桿を握った――。 「――知ってるか? 真打ちは遅れてやってくるのがお約束だってことをなぁ!!」 陽気な声が周囲一体に響く。 やがてやってきたものは衝撃ではなく轟音の群れだ。 それはヴィレッタの前方からではなく後方からやってきた。 言いようのない数のミサイルの大群にスレードゲルミルとゴライオンは停止を余儀なくさせる。 巨大なプロペラ・ユニットによる飛行でやってくるは赤い巨人。 最強と呼ばれしメカデウス、THE BIGの内一機、ビッグデュオ。 そしてそのパイロットはギャンブル好きな、陽気でどこか憎めない男。 「てめぇら! よってたかって姐さん苛めるとは……いい度胸してるぜ!!」 「タスク!?」 「アイサー! 遅れてすんません、姐さん」 タスクがビックデュオを強引にガルムレイド・ブレイズの前へ押し出す。 胸部からのガトリングミサイルの掃射は依然として続いている。 絶好の機会を失ったスレードゲルミルとゴライオンはミサイルをやり過ごすしかない。 スレードゲルミルは即座に斬艦刀を形成し、ゴライオンは円形のシールドを翳す。 しかしそれでもビックデュオのガトリングミサイルの威力は無視出来るものではなく、二機は除々に後退を余儀なくされる。 「助かったわ、タスク……それで、さっきの二機は?」 「たたき落としてやったっス! こうガツーンと一発って感じで。まあもう一方は見失っちまいましたけども……」 「そう、それは頼もしいことね」 確かに後方を確認しても機影は見当たらない。 ビックデュオの各部にはビーム痕を始め様々な損傷が見られるが、タスクの言うとおり無事切り抜けられたのだろう。 ヴィレッタは安堵するがそれはタスクの救援が間に合った事だけではない。 ジョーカーについての告白。それを行う必要がなくなった意味合いも含んでいた。 だが、このままで良いというわけでもない。 いつかは決めなければ、タスクとの間にもなんらかのトラブルが起こる可能性もある。 後回しにするのも今回で終わらせるべきだ。 「ちっ! さっきのヤツか! だが、このレーベン・ゲネラールの邪魔立てするヤツは容赦せん! 俺のエーデル准将への想いはこんなものではない!!」 そんな時、ゴライオンが更に上昇しビックデュオへ突撃する。 スレードゲルミルは何故か止まったままだがタスクの注意はゴライオンの方だけだ。 タスクと同じくヴィレッタも狙いをゴライオンに絞る。 今までは数の違いやレーベンの気迫に押されていたがやられるだけではない。 エアロゲイターの切り札ともいうべきSRXチームの隊長を、伊達や酔狂で務めているわけではない。 己の創造主、もう一人の自分というべき存在から預かった契約は、未だ終えていないのだから――。 既に目を通しておいたマニュアルに記載された一文が鮮明に蘇る。 そのコードは――イグニッション、点火を指し示すワード。 「リミッター解除――イグニッション! ヒオウ! ロウガ!」 緑色のカメラアイが発光した後、ガルムレイド・ブレイズが吹き荒れる灼熱を身にまとう。 自然界四つの力に次ぐエネルギーであるターミナス・エナジーはどこにも存在する。 故にそのターミナス・エナジーを動力とするターミナス・エンジンは言うなれば永久機関。 限界のない力が内部でまるで炎のように燃え盛る――灼熱の正体はそれだ。 そして胸部に存在する緑の丸状の部位の輝きはいっそう強くなった。 続けてガルムレイド・ブレイズの各部装甲が外れ、二機の小型機となる。 鳥類を模した方がヒオウ、残りの狼を模したものがロウガだ。 「ターゲットインサイト……! さぁ、いけ!」 一瞬の内にヴィレッタは演算計算を終え、ヒオウとロウガに指示を与える。 二機ともガルムレイド・ブレイズと同じく炎に包まれている。 彼らにもターミナス・エンジンの血は通っているのだから。 ヴィレッタの意思を受け、目前のゴライオンへ強襲。 ヒオウは後ろから周り、ロウガは愚直な程に正面からゴライオンへ駆けていく。 ヒオウは装備されたビームマシンガンを乱射し、レーベンの注意を引いている。 その隙を狙ってロウガが喰らいつき、振り払おうとしたゴライオンの左腕へ逆に噛みつく。 小型機といえどもその威力は侮れるものではなく、連続して鈍い音が響く。 「こ、こいつら! こしゃくな真似を!」 無事な方の腕でゴライオンはロウガを殴りつける。 堪らずロウガは吹き飛ばされ、ヒオウが両脚で受け止める。 ヒオウとロウガの二機ではゴライオンを喰いとめることは出来なかった。 しかし、時間は充分に稼げた。レーベンの新たな隙を誘うぐらいの時間は。 「しつこいヤツは嫌われる……ってね。いい大人のくせにさっきから見苦しいぜオッサン!!」 ヒオウ、ロウガと入れ違いの形でタスクの駆るビッグデュオがゴライオンへ向かう。 プロペラ・ユニットを前へ向け、ロケットエンジンによる噴射が更なる加速をもたらす。 そして両のプロペラ・ユニットからアームが顔を出し、その指が力強く掴む。 掴んだものはゴライオンの両肩だ。 急な接近に対応が遅れたゴライオンの両肩がギシギシと軋む そのパワーは強大。最強のメガデウス、THE BIGの名は伊達ではない。 「くっ、放せ! このクズが!!」 「聞こえねぇなぁ! それより気にならねぇか……俺とアンタの運、どっちが強いかをッ!!」 ゴライオンも右腕をビッグデュオの胸部に撃ちつけ、ファイヤートルネードを噴射させるがビッグデュオは離れない。 元々赤い躯体が更に赤みを帯びてもタスクは動じない。 これぐらいで臆するようであればとっくにヒリュウ改から降りている。 それにジガンスクードのような大型機に乗ってきたタスクにはお得意の戦法だ。 だが、ファイヤートルネードは確実にビッグデュオの装甲を、胸部を溶かしている。 コクピットが胸部に存在するビックデュオには決して楽観できない状況。 それでもタスクはゴライオンを掴むのをやめはしない。 幾ら攻撃を貰おうとも決定打をこちらが打てればいい。 我慢の果てに勝利の一瞬を掠め取っていく。 タスクはパイロットである以前に勝負師だ。 一か八かの状況。そこで勝利をもぎ取ってこそ勝負師たるもの。 たとえ分が悪かろうと勝負と名のつくものに負けるつもりはない。 離脱するどころか両目のアークラインを発射し、駄目押しの一撃を見舞う。 ゴライオンの顔半分が熱戦で焼かれ、思わず反り返った。 そして爆発が起きる。 「運だめしさせてもらったぜ、レーベン・ゲネラール! そんでもって結果はもちろん、タスク様の勝ちだぁッ!!」 遂にはビッグデュオがゴライオンの両方を握り潰すまでに至った。 爆発により、ゴライオンの躯体がビッグデュオから離れる。 辛うじて腕は繋がっているものの両肩からは黒煙が出ている。 決めるのであればここだ。タスクはトドメの一撃を見舞おうと再度ビックデュオの拳を振るう。 右腕をゴライオンに胸部へ、その圧倒的な力を持って動力系を潰す。 海上へ落ちゆくゴライオンにビッグデュオの腕が今まさに届こうとする。 「――フットミサイル!」 「なに!?」 そんな時、ゴライオンが両足のフットミサイルを発射する。 一発目の爆発によりビックデュオのアームユニットが焦げつき、 やや遅れ二発目が胸部にて炸裂し、爆炎が生まれる。 黒々とした煙を突き破り、ビッグデュオがその巨体を再び大空に晒す。 減速はしたものの、完全にビッグデュオの勢いを止めるには至っていない。 だが、レーベンの狙いはビッグデュオの撃破ではない。 至近距離での炸裂による爆風は当然ゴライオンの方にも及んだ。 吹き荒れた爆風をその身に受け、ゴライオンが加速。 その躯体は何処までも広がっていそうな、青い海を目指していた。 「タスク・シングウジ、そしてヴィレッタ……覚えておくがいい! キサマらは必ず俺が殺してやる!!」 ゴライオンは勢いを緩めることなく海中へ飛びこんだ。 さすがのレーベンも状況が不利だと悟ったのだろう。 ビッグデュオから貰った痛手の他に今までの損傷もある。 実に画に描いたような捨て台詞を残し、ゴライオンは離脱していく。 (そうだ……あのイスペイルという男も絶対に許さん! だが、ヤツは一体どうなって……) 殺すべき人間は未だ多い。 獅子の怒りは未だ収まりそうにはなかった。 【1日目 10 30】 【レーベン・ゲネラール 搭乗機体:ゴライオン(百獣王ゴライオン)】 パイロット状況:ブチギレ(戦化粧済み) 機体状況:頭部半壊、両肩破損、左腕にひび、右足一部破損、動力低下、十王剣(全体に傷あり) 現在位置:C-4 第一行動方針:ヴァン、タスク、ヴィレッタ、イスペイルは次こそ必ず殺す 第二行動方針:女、女、女、死ねええええええ! 第三行動方針:ジ・エーデル・ベルナルについての情報を集める 最終行動方針:エーデル准将と亡き友シュランの為戦う 備考:第59話 『黒の世界』にてシュラン死亡、レーベン生存状況からの参戦】 ◇ ◇ ◇ 一方イスペイルはというと―― 「ひ、酷い目にあった……」 波に流され、ようやく海の上まで上がってきていた。 ビッグデュオに叩き落とされた時に気絶していたため、自分がまたしてもループにより移動した事にも気づいていなかった。 【1日目 10 30】 【イスペイル 搭乗機体:ヴァルシオーネR(魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL)】 パイロット状況:疲労 機体状況:両腕に損傷 EN80% 現在位置:C-7 南端 第一行動方針:まずは生存する為にノルマ(ノーマル、アナザー、どちらでも可)を果たす 第二行動方針:出来れば乗り換える機体が欲しい 最終行動目標:自身の生還 備考:首輪の爆破解除条件(アナザー)に気付きました ◇ ◇ ◇ 「へっ、おとといきやがれってんだ! さぁ~て残りは……」 ビッグデュオの中でガッツポーズを取りながらタスクが周囲に目を回す。 ゴライオンを撃退したもののまだ全ては終わってはいない。 ウォーダン・ユミルの機体、スレードゲルミルという強敵が未だ残っているのだから。 だが、こちらには頼りになるヴィレッタも居る。 二人掛かりでいけばそれなりにやれることだろう。 だから今の戦闘で受けた損傷はそこまで気にしなくともいい――。 そう確信していた。 「貰ったぞ!」 「くっ、おまえは……!」 「姐さん!」 突如として海中から躍り出る機影が一つ。 ヤドカリのような形をしたそれにタスクは見覚えがあった。 ガンダムアシュタロンHC、MA形態がガルムレイド・ブレイズの真後ろを取った。 先程戦闘途中で補足出来なくなったがまさか追ってきていたとは。 戦闘不能に出来なかった自分を悔やみながらタスクは直ぐにビッグデュオを動かそうとする。 しかし、機敏な動きを得意としないビックデュオではどうしようもないタイムラグが発生する。 アシュタロンHCは、アナベル・ガトーにとってその時間は充分すぎた。 歴戦のパイロットであるヴィレッタの反応よりも早く、ガトーはアシュタロンHCを動かす。 ギカンティックシザースを開き、ガルムレイド・ブレイズの両腕を強烈な力で挟み、再び海中へ飛びこむ。 未だヒオウとロウガとの合体を終えていないガルムレイド・ブレイズは満足な状態ではない。 なすがままに海中に引き込まれ、あっという間にタスクの視界から消えてしまう。 「ちっ! なんてこった……今すぐいくぜ、姐さ――ぐ、ぐわぁ!!」 救援に行こうとするビッグデュオに衝撃が走る。 それがやってきた方角からして原因は一つしかない。 再び反転させた視界の先には、丁度今しがた撃ち放ったドリルを手に戻した機体の姿がある。 そいつが何者であるか今更確認するまでもない。 「どけよ! 俺はあの女に用があるんだ……!」 「悪りぃけど絶対にノゥだ。というかドリルブーストナックルなんて軽々しく撃つんじゃねぇ! ちょいと寿命が縮んだじゃねぇか!!」 「知るかよそんなこと! 戦ってるんだ……相手のことまでなんて……!」 どこかふざけたような調子で抗議するタスクにシンは僅かながら動揺するが退くわけにはいかない。 たった今海へ消えていったヴィレッタという女は確かにレイを知っていた。 レイとの合流へ近づくにはあの女の情報を手に入れないわけにはいかないためだ。 やがて少なからず感じた戸惑いをシンは言葉にする。 「だいたいなんでお前はそこまで……もうその機体だってボロボロじゃないかよ! 邪魔しなればお前に用はないんだ。だからそこをどけぇ! そうじゃないと俺は……俺はこの斬艦刀でお前を……!」 迷いが自身の負けに繋がることは重々承知だ。 それでも迷ってしまう自分をシンは確かに認識する。 ドモンやジャミルとの出会いが関係しているのかもしれない。 しかし、あまり時間を喰っていてはヴィレッタを見逃してしまう。 レイの情報を優先するのであれば全力でタスクを斃せばいいだけだ。 そう、先程の戦闘によりビッグデュオの損傷は決して軽くはなく、特に胸部のそれは重いものに見える。 斃そうと思えば簡単に斃せるはずだ。ドリルを背部へ戻し、シンはスレードゲルミルを構えさせる。 両腕に握られた一本の太刀、斬戦刀を上段の構えでビッグデュオへ翳す。 なんとしてでもここは突破する。 ただそれだけを考え、シンはビックデュオを睨む。 「はっ! このタスク様も舐められたもんだ……あいにくだが斬艦刀には慣れてんだ! それもお前よりもっとおっかねぇ人達の斬艦刀だ! 伊達に盾の役目をしてるわけじゃねんだッ!!」 だが、タスクは動じない。 勝負師故の負けず嫌いという理由もある。 斬戦刀といえど振るう人物がゼンガーのような男でなければそこまで怖くはないのも理由の一つだ。 それに何よりもシンと同じくタスクにも退けない理由があるのだから。 「ヴィレッタ姐さんはやらせねぇ……! 姐さんを追うなら俺が相手になってやらぁ!」 仲間の一人も守れないようじゃ……惚れた女なんか守れやしねぇぜッ!! 浮かんだ顔は金髪のどこか意地っ張りな女。 自分が惚れた女の顔を一度も忘れたことはなかった。 今は傍に居ない彼女だが放すつもりは毛頭ない。 だからこそタスクはシンを此処で喰いとめようと考えている。 斬戦刀の刀身がたとえどれほど大きく見えようとも、タスクはビッグデュオを退かせるつもりはない。 そんなタスクの様子をシンは心底憎らしく感じている。 抵抗しなければやられないのに――だが、やらなければならない。 自分は何としてでもレイと合流しなければならないのだから。 「くそ、くそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」 シンが発した叫びはどこか悲しげなものだ。 結局は変わらない。フリーダムを斃した後も変わらない。 戦うだけしか出来ない自分への悔やみなのだろうかはわからない。 ただシンは全てを振り払うかのようにスレードゲルミルに怒りを込める。 翳していた斬艦刀の刀身を横に向け、スレードゲルミルが一迅の風となってビッグデュオへ向かう。 それは風と呼ぶにはあまりに圧倒的な暴力の塊でしかない。 ガトリングミサイルの発射口を開き、応戦するビッグデュオ。 「勝つか負けるか二つに一つ! タスク・シングウジ、この勝負勝たせてもらうぜッ!!」 ガトリングミサイルの渦をスレードゲルミルが突撃。 機体の各部でミサイルが爆ぜ、衝撃が襲うがスレードゲルミルは止まらない。 やがて斬戦刀を振り切り、ビックデュオの横を追いぬいていく。 轟音が響くと同時にシンは確かに己が振るった斬戦刀に手ごたえを感じた。 断ち切ったものはビックデュオの右腕。 もはや巨大な鉄の塊でしかなくなった右腕が海中へ落ちる。 それは右腕を失い、不安定ながらもなんとか飛行し続けるビッグデュオがスレードゲルミルへ向き直った時と同じ瞬間。 ガトリングミサイルによる損傷が至る所に見られるスレードゲルミルを無傷とは言い難く、痛み分けといったところだ。 しかし、結果的にスレードゲルミルはビッグデュオを突破することになった。 スレードゲルミルに、シンにヴィレッタを追わせるわけにはいかない。 右腕がなくともまだ左腕がある。 そのあまりの威力故に未だ使用していないメガトンミサイルだって健在だ。 だからまだ――戦える。タスクはビッグデュオの腕を突き出し、スレードゲルミルを捉えようとする。 「ちっ! ドジった! だが、まだまだこれからってコト見せてやらああああああああ――」 だが、その腕が掴んだものはあまりにも心許ない空虚のみだった。
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